仏マクドナルド、バンズにラベル・ルージュ小麦粉使用開始

2021年6月から、フランスの全てのマクドナルドのバンズの生産に、フランス産ラベル・ルージュ規格の小麦粉が使用されることになった。

Le Label Rougeラベル・ルージュとは:直訳すれば「赤ラベル」になり、1960年代に導入されたフランスの食品品質保証マーク。生産から出荷に至るまでINAO(国立原産地名称研究所)により厳しく管理されている。伝統製法に則った産品について生産者組合が申請して認可を得る。味わいを確かめる官能検査も行い、赤ラベルがついたものは上等、格上と認められている。肉類、魚類などに多い印象があるが、現在は小麦とパン、プロヴァンスハーブ、卵と家禽、果物と野菜、蜂蜜、苗木と種子、水産物の各分野にラベル・ルージュがある。


バンズ製造元のBimboは、これにより年間6億個のバンズを生産することになり、これはラベル・ルージュ品質のフランス産の小麦粉の生産量の20%に相当する。

すでに包装材やプラスティックを減らす方針に加えて、今回は商品の品質向上が図られこととなった。

品質向上に関しては、2019年にCargill社製造の、マクドナルド用チキンナゲットから、すべての人工添加物排除が行われているが、今回はバンズ製造のBimboとの共同作業で、全てのバンズにフランス産のラベル・ルージュ品質の小麦粉を使うこととなった。

Bimboによれば、マクドナルドとの30年以上にわたる共同プロジェクトの中の最たるもので、ここに至る経緯としては、15年以上前のヨーロッパ産の小麦粉を使用、2010年からの、フランス産の小麦粉の100%使用に続くもの。

今回ラベル・ルージュ品質の小麦粉を使用するに当たって、市場で初めて、生産コストベースの3年契約を提案することによって、供給側と信頼関係に基づいた長期的なプロジェクトができるとBimbo側は話す。このプロジェクトでは年間6億個のバンズ、すなわち32000トンの小麦粉、フランス国産ラベル・ルージュ小麦粉総量の20%に相当する小麦粉が使用されるが、マクドナルドはこの分野において競合から1歩先んじることになる。

小麦粉供給側の一つである、ボアソー小麦生産者共同組合会長は、「我々のラベル・ルージュ品質の小麦粉生産を誇りに思う、そして私たちの小麦粉でマクドナルドのパンが作られることを誇りに思う。」と語るとともに、複数年ベースの契約によって、組合員である小麦生産者が、長期にわたってマクドナルド向けの小麦を生産することができ、セクターで協力することの利益を実感し、このプロジェクトによって生産者から消費者まですべての人が利益を得られると語る。

マクドナルドにとっても利益は大きい。

ラベル・ルージュの認知度は非常に高く92%で、一番信頼されているラベルの一つに数えられるが、そのラベルを使うことによって、ライバル会社から一歩先んじることが出来る上、「地域」の重要性が、日増しに問われる昨今のおいて、フランス農業セクターというローカルとのコラボレーションを進めることができる。

「このプロジェクトによって、マクドナルドとそのパートナーたちは、品質向上のための投資というセクターでの戦略をすることになりますが、それはまた費者の期待に応え、またラベル・ルージュの関係者、特に農業生産者に付加価値をもたらすことができるのです。

また、今日の顧客や消費者は、良く知られた公式の品質の証を求めているということが良くわかりました。」

とマクドナルド購買・品質・ロジスティックス・環境ディレクターは語る。

品質について、いろいろな噂が飛び交うマクドナルドだが、2019年のチキンナゲットからの添加物排除に続き、2021年6月から、バンズにラベル・ルージュ規格の高級小麦粉を使用することで、品質に関する信頼感の回復と、「食の安全」というフランス人消費者の関心の高い部分にアピールすることが出来るのではないかと思う。

ファーストフード=低品質という既成概念が徐々に覆され始めているのかもしれない。


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