今回はフランスの『ミッションを持つ企業=使命を果たす会社(定訳はまだないようです。)』について少し書かせて頂きます。
PACTE法という法律の中で規定されているのですが、大まかに言うと、『ミッションを持つ企業=使命を果たす会社』とは『社会的貢献』と『環境的影響』を考慮に入れた企業目的を持つ企業のこと。
言い換えれば、従来の経済利益追求一辺倒はもうやめて、もっと社会と環境問題にコミットしようよ!ということで、企業のミッションに公益と環境配慮を加えている点が特徴です。
『ミッションのある企業であることの利点』
政府のサイトからわかりやすく意訳すると、以下のようになります。
・会社に関わる人全て(株主、従業員、パートナー)が共通の企業目的をシェアして団結することができる。
・会社の活動に社会的な意味を与える
・企業の存在意義をステークホルダー間で確認し、企業のブランドイメージを向上させる。
・会社が設定したミッションの分野で、関係のある外部団体と協力関係を築くことができる。
・イノベーションを通じて企業の経済的業績を改善する
・企業トップのイメージアップのつながる
などです。
では、『ミッションを持つ企業=使命を果たす会社』になるのはどうすれば良いのでしょうか?特別な条件があるのでしょうか?
法的形態に関係なく、基準を満たしているいれば、全ての会社が『ミッションを持つ会社』になることができます。
『ミッションを持つ企業=使命を果たす会社』になるための登録手順
・会社定款の変更
ミッションのある会社は「付加価値」であり、新しい企業ステータスや新しい法的会社形態ではありません。
ゆえに、会社の法的形態を変更する必要はありませんが、会社定款に以下を加える必要があります。
・民法第1835条の意味における会社の目的の概念
・企業がその活動の枠組みの中で、追求するタスクとして設定した社会的および環境配慮目標
・ミッションの実行を監視するための手順
従業員が 50 人を超える企業の場合、企業の目的と遂行が見合っているか管理するために、特定の管理(監視)委員会を設置する必要があります。
この委員会は、会社とは別の第3者であり、最低従業員1名参加を要し、企業が定めたミッションが実際に遂行されているかをチェックする責任があります。
会社定款の変更等のみならず、ミッション内容を、政府の定めるサイト上で登録する必要もあります。
ミッションを持つ会社への登録・変換は、会社設立時でも設立後でも可能で、登録後はINSEE が保持するSIRENEディレクトリ上でもその旨が表示されます。
B Corp(B Corporation)認証のフランス政府版とざっくり考えることができるかもしれません。
ここでは代表格のダノンの例を挙げておきます。
#Bcorp #entrepriseamission #使命を果たす会社
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