LVMHの不動産線戦略

今日はフレンチブランドの王様LVMHの不動産線戦略について少し書いてみたいと思います。
LVMH の会長兼 CEO である ベルナール・アルノー は、1949 年 3 月 5 日北部フランス、ルーボー生まれ。
2023 年 1 月 2 日の推定資産額は 1,620 億ドルで、イーロン・マスクを2022年12月に抜いて世界で最もリッチな人物になりました。
エリート養成学校のひとつであるエコール・ポリテクニーク卒業後、エンジニアとしてキャリアをスタート。
1978 年にフェレット・サビネル社会長兼専務理事に就任、1984 年にフィナンシエール アガッシュ SA とクリチャン ディオール SA の会長兼最高経営責任者に就任した後、1989 年、LVMH モエ ヘネシー – ルイ ヴィトンの主要株主となり、世界をリードするラグジュアリー グループを作り上げ、1989 年 1 月に会長に就任しています。私生活では、5 人の子供の父親です。
 波風の大きかった2022 年もLVMHはブランドの強さを見せつけ、ファッションおよびレザーグッズ を中心に、売上高は前年比 23% 増、売上高は 792 億ユーロに達し、ブランドナンバーワンの位置を不動のものとしました。
さて、LVMH(チャレンジの少数株主)傘下のブランド数は幾つありと思いますか?
なんと75ブランド。(以下アルファベットのままですが)
1. ワイン & スピリッツ部門(11% の売上) : Le clos des Lambrays ; Chateau d'Yquem ; Dom Perignon ; Ruinart ; Moët & Chandon ; Hennessy ; Veuve Clicquot ; Ardbeg ; Chateau Cheval Blanc ; Krug ; Glenmorangie ; Mercier ; Chandon ; Cape Mentelle ; Newton ; Cloudy Bay ; Colgin Cellars ; Belvedere ; Bodega Numanthia ; Cheval des Andes ; Terrazas de los Andes ; Woodinville ; Ao Yun ; Clos ; Volcan de mi Tierra.
2. ファッションと革かばん製品(39% 売上) :  Loewe ; Louis Vuitton ; Berluti ; Rimowa ; Jean Patou ; Loro Piana ; Fendi ; Celine ; Dior ; Emilio Pucci ; Givenchy ; Kenzo ; Pink Shirtmaker ; Marc Jacobs ; 2004 Nicholas Kirkwood.
3. 香水& コスメ (13% 売上) : Guerlain ; Acqua di Parma ;Parfums Christian Dior ; Parfums Givenchy ; Perfumes Loewe ; Benefit Cosmetics ; Make Up For Ever ; Kenzo Parfums ; Fresh ; Kat Von D ; Maison Francis Kurkdjian ; Fenty Beauty
4. 時計& ジュエリー (9% 売上) : Chaumet ; Tag Heuer ; Zenith ; Bulgari ; Fred ; Hublot
5. セレクティブディストリビューション & その他 (28% 売上) : 1817 Cova ; Royal Van Lent ; Le Bon Marché ; Jardin d'Acclimatation ; La Samaritaine ; Groupe Les Echos ; Starboard Cruise Services ; Dfs ; Sephora ; La Grande Epicerie ; Hotels Cheval Blanc. 
これもLVMH傘下だったの?と思うほど、大きなブランドのほとんどを網羅していると言っても良いのではないでしょうか?
このLVMHの重要な戦力のひとつに不動産、つまり立地があるようです。
LVMH の立地戦略の中心地は8区。
コンコルド広場から凱旋門に伸びるシャンゼリゼ通り、フォーブル・サントノレ通り、エリゼ宮などがあり、高級ホテルやブティックの立ち並ぶヴァンドーム広場もすぐそばのまさに「パリ」というエリアが8区です。 
2022 年末に、Covivio グループが所有する8,600 m² の建物( 21 rue J ean Goujon)をどうしても手に入れたかったベルナール・アルノー。2021年から入居していたコンサルティング会社(930 ユーロ/m²/年 = 約13万円/m2の家賃でリース)に立ち退き料を約 1,000 万ユーロ(約14億円)を支払って入手と言われています。
その後、モンテーニュ通り界隈に、モエ ヘネシーの「ワイン & スピリッツ」部門が12,500 m2の建物を( 925 ユーロ(約12万5千円)/m2/年)でリース(家賃約15億6千万円/年)。
向かい側の 51 番地では、クリスチャン ディオールのパリチームの一部が 950 ユーロ(13万3千円)/m2/年でブティックを構え、ディオールの他の部門は、61 Galilée/23-25 Vernet の 4,000 m² の建物に引っ越しています。 (920 ユーロ/m2/年)。
そして、クリスマス直前に、Bernard Arnault グループは、22 de l'Avenue ですでに使用していた建物と、その周囲の 2 つの建物を購入と不動産戦略に拍車がかかっているようです。
LVMHはシャンゼリゼ通りだけで、約 10 店舗 (セフォラ、ゲラン、ディオール、ルイ ヴィトンなど) と2018年からブルガリのショールームなどを所有。そして103-111番地(旧HSBC本社)に、2021年にLVMHが買収したアメリカのジュエラー、ティファニーが入るのではと噂されているとか。
そのほかにも、ディオール クチュール チームの一部は、ラ・ デファンス(パリ西部近郊にある都市再開発地区)のアルト タワーに 7,500 平方メートル以上のスペースをリース。家賃は、約 €500/m2/年とされています。
このように、成長を続けるLVMHにとって不動産戦略は非常に重要なものになっているようです。
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