欧州の重要な節目:新型コロナウイルス後の、次世代のための復興と準備を。とその経過

Brussels, 27/05/2020 - 11:50 EU公式Web siteより

<日本語仮抄訳>

欧州委員会は本日、新型コロナウイルス感染症のパンデミックを受けた、大規模な復興計画を提案した。復興が持続可能で、均等で、排他的でなく、全ての欧州連合(EU)加盟国にとって公平なものにするために欧州委員会は、強力で現代的で修正された長期EU予算の中に「次世代EU(Next Generation EU)」という復興基金を創設することを提案した。欧州委員会はまた、欧州の復興とレジリエンスを推進するための行動を優先した2020年次の改訂作業計画を発表した。

新型コロナウイルスの感染拡大は、医療・福祉制度、われわれの社会や経済およびわれわれの生活や協働の在り方を試し、欧州と世界を根底から揺るがした。人命と生計を守り、単一市場を修復し、また永続的で豊かな復興を達成するために、欧州委員会はEU予算の可能性を最大限に活用することを提案する。総額7,500億ユーロの「次世代EU」と2021年~2027年の長期EU予算への的を絞った拡充を合わせ、復興に向けたEU予算の財政能力は総額1兆8,500億ユーロとなる。

次世代のための投資

「次世代EU」は、独自財源の上限をEUの国民総所得の2%まで一時的に引き上げることで欧州委員会が、自身の高い信用格付けを利用し金融市場から7,500億ユーロを借り入れることを可能にする。この追加資金は、EUの諸プログラムを通じて提供され、将来のEU予算を通して、2028年から2058年の間で長期的に返済される。この作業を公平かつ共有された方法で進めるため、欧州委員会はいくつかの新たな独自財源を提案している。さらに、最も緊急性を要するニーズに応えるためにできるだけ早く資金を確保するべく、欧州委員会は現行の2014年~2020年の多年次財政枠組みを改訂し、2020年に既に115億ユーロの追加資金を確保することも提案した。

「次世代EU」のために確保された資金は以下の3本の柱に基づいて投資される

投資や改革を通した加盟国支援

民間投資の奨励を通したEU経済の再始動

危機で得られた教訓への対応

復興の政策基盤

経済を再活性化させることは、危機以前の状態に戻るのではなく、前に向けて躍進することを意味する。危機がもたらした短期的損害を、長期的未来にも投資するような形で修復する必要がある。「次世代EU」を通じて得られた資金は全額、修正された長期EU予算に含まれる以下のEUプログラムを通じて提供される。

EUの復興戦略としての欧州グリーンディール

単一市場の強化とデジタル時代への対応

全員を対象とした、公正で排他的でない復興

よりレジリエンスのあるEU

欧州は、戦略的バリューチェーンや海外直接投資の審査の強化などを含む、いくつかの具体的な分野で自身の戦略的自律を高める必要がある。危機に対する準備と危機管理を強化するため、欧州委員会は欧州医薬品機関を増強し、欧州疾病管理センターの、危機における医療対応の調整に関する役割を強化する。

復興は、明らかに基本権と法の支配の完全な尊重に基づく必要がある。いかなる緊急措置も時限的なもので、厳密に事態に釣り合ったものでなければならない。欧州委員会の評価は、法の支配メカニズムの下での1回目の報告に盛り込まれる。

責任ある国際的指導力

EUは、特に国連、20カ国・地域会議(G20)、主要7カ国会議(G7)、国際通貨基金、世界銀行もしくは国際労働機関との共同調整を通じて、真の世界的復興に向けた国際的な取り組みを先導する決意である。EUは引き続き、その最も近隣の東部・南部地域およびアフリカのパートナーと特に緊密に協力する。


欧州委員会主導の「新型コロナウイルス・グローバル対応」、次の段階へ 28/05/2020

<日本語仮抄訳>

欧州委員会は本日、新型コロナウイルス感染症のワクチン、治療薬および検査薬を万人に手の届く価格で提供できるようにすることを目指す国際的な取り組み、「新型コロナウイルス・グローバル対応」の今後について発表した。5月4日に始まった支援金誓約マラソンは、国際的な行動を促すプラットフォーム「Global Citizen(グローバル・シチズン)」と連携し、「世界の目標:我々の未来のために連帯しよう」と銘打った新しいキャンペーンを開始する。同キャンペーンは、6月27日(土)に開催される「世界誓約サミット」を終着点とする。


欧州委員会、欧州投資銀行と共同でグリーン投資を支援する公的融資制度を提案

28/05/2020

<日本語抄訳>

欧州委員会は本日、「公正な移行メカニズム(Just Transition Mechanism)」に基づく公的部門の融資制度案を提出した。欧州投資銀行(EIB)の参加を伴って実施される同制度は、石炭・炭素集約的な地域に恩恵をもたらす、公的機関による気候中立経済への移行を支援する投資を奨励する。同制度には、EU予算から15億ユーロの助成金と欧州投資銀行の自己資金から100億ユーロの融資が提供される。最大で250億から300億ユーロ規模の投資を動員して、気候中立経済への移行により大きな影響を受ける地区や地域を支援し、また移行に伴う費用を負担する余裕がない地域を優先的に支援する。

同制度は、全EU加盟国が利用可能で、当初は各国の予算枠に基づき、以下の基準を満たす公募案件に融資する:

承認済みの地域的な公正な移行計画で特定された地域の利益になる案件

同制度に基づきEIBの融資を受ける案件

市場からの十分な収益が見込めない案件

また対象となる案件は、EIBの融資方針を満たしている必要がある。投資分野は、エネルギー・輸送インフラ、地域熱供給、公共交通、エネルギー効率対策、社会インフラなど、影響を受ける地域の地域社会に直接恩恵をもたらし、2050年までの欧州の気候中立化に向けた移行に伴う社会・経済的な費用を削減する案件が対象となる。


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