7月2日に「シャンパン」の名称を使えるのは、ロシア産スパークリングワインに限るという前代未聞の法律が、ロシアで成立した。
具体的には、フランス産の真正シャンパーニュは、瓶の裏にスパークリングワインと表示することが義務付けられることになる。
この新しいラベル造りに必要な経費は膨大なもの。
そもそもシャンパーニュという名称は、AOC Champagne 原産地呼称統制、AOP(ヨーロッパ版AOC )によって保護されており、シャンパーニュの名称を名乗るには、INAOの取り決めた数々の条件をクリアしなくてはならず、普通に考えれば、この統制に見合わないシャンパーニュ地方以外で作られたスパークリングワインはシャンパーニュ(シャンパン)の名称を名乗れないことになっている。
ル・モンド紙によれば、このロシアの法律はフランスの原産地呼称統制AOC/AOPを全く無視したものだということになる。
この法の成立を受けて、大手シャンパン会社、モエ・ヘネシーはロシアへのシャンパーニュ輸出を一時中断することとした。
ちなみに、ロシアで1年で消費されるスパークリングワイン5000万ℓのうち、13%がフランスから輸出されるシャンパーニュで、そのうちモエ・ヘネシーが占める割合は2%と言われる。
フランス外相ジャン=イヴ・ル・ドリアンは
「私たちは、ロシア当局とフランスの二国間関係だけでなくヨーロッパレベルでも、フランス国内シャンパーニュ生産者の利益、特に地理的表示AOCの利益を守るために、今後数日以内に行動に出る。」と国会で語り、ロシアのこの新法が、世界貿易機関(WTO)の規則に違反していることが証明された場合、ロシアに関してWTOと協同で法的措置を取る可能性を示唆した。
当たり前ですよね。
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