昨日は少し硬い話だったので、今日はちょっと柔らかく、今回のフランスでのお話。
4月に行くはずが飛行機がキャンセルになり行けなかったフランス。
子供に会いに行くのと、サインをしなくてはいけない書類があり、行ってまいりました。
普段はドイツ経由でフランス入りしますが、今回は滞在許可証のない経由地でストップがかかる可能性もがあるかもしれないので、フランス国内で乗り換えた方がよいというアドバイスに基づいて、検討。
ANA, JALも見ましたが、なんせキャンセル率70%なので、飛んでいる便の乗り継ぎが悪く、エールフランスにしました。
空港にはマスクを付けて来ないと受け付けませんという案内があって、機内も常時マスク着用義務があります。
そして食事の時間のみ、マスクを外しても良いことになっています。
いつも使う羽田からの便はなく成田空港から。
朝早い便であったこともありますが、悲しくなるほど、閑散とした成田空港。
日本が本当に国境を閉じていることを感じます。
免税店も閉まっていて、買い物もできません。
時刻通りに搭乗が始まり、60−70%くらいの満席率で、3席ゆったり使うことができます。
乗客のほとんどがヨーロッパ系と思われる人達で、数人アジア系の外見の方々もおられました。
機内サービスはミニマムですが、雰囲気は良かったです。
乗客もCAもお互いの置かれている状況をわかっているせいでしょうか。
コンタクトを避けるために食後のコーヒーのサービスが出来ないとCAの方も歯痒そうで、「早くこういう状況が終わると良いですね。」とお互いねぎらう感じでした。
普段であれば、ディジェスティフのサービスまであるエールフランスですから、尚のことでしょう。
こういう状況でも機内サービスをして下さるのはありがたいと思います。
彼女達のリスクは如何なるものと思うと、こちらもマスクをして手の消毒をキチンとしようという気持ちが強まります。
ほとんど寝て過ごして、パリCDG空港に到着。
CDG経由は久しぶりです。
成田空港のガラガラぶりに比べると、早朝のパリ、祝日のせいかもしれませんが、どこのゲートにも驚くくらいの人がいました。
パリーリヨン間はほぼ満席。
どうやらヨーロッパ内はすでに普通に移動が始まっているようです。
リヨン-サン-テグジュペリ空港に到着すると、すでにパリで入国しているので、プラスのチェックはなくスムーズに空港出口へ。
タクシー乗り場に空いていて、すぐにいつも泊まる市内のアパートへ移動できました。
タクシーの運転手さんの話では、ロックダウン期間は大変でしたが、最近は徐々に人が戻り始め、自分も最近仕事を再開したと言われていました。
大型展示会が全てキャンセルされたので、ロックアウト解除後すぐは人の動きは少なかったそうです。
おそらく7月1日からEU諸国に加えて、日本を含めた国々にも国境が開かれ、その後徐々に各国に国境を開いているので、人の往来も増えていくことでしょう。
EU以外の国からの入国なので、ホテル手配が出来るか心配でしたが、いつも使うBOOKING.COMで何の問題もなく予約が取れ、パリで日本のパスポートを出しても、ホテルのコンシェルジュの態度はごく普通であったことを付け加えておきます。
リヨンでは、定宿のオーナーで、今となっては友人になった仏人女性も、東京から飛行機で長時間旅行してリヨンに到着するので、念のためにまずホテルを1泊予約したと連絡すると、「全然平気だから、到着した日からいらっしゃいよ!」と。
日本よりもずっと状況はシビアであったし、厳しいロックアウトを経験したにも関わらず、いつも通りフレンドリーで、「怖くないの?」とこちらが聞きたくなるほど。
でも正直この暖かさがとてもうれしかったです。
こんな感じで、到着翌日から、普通の生活が始まりました。
翌日は、子供関係の用事でフランス人女性と面談。
こちらも東京から会いに伺いたい旨を伝えると快諾して下さり、到着翌日のRDVとなりました。
こうして昨日到着したばかりの私をいつも通り、歓待して下さる方々にことを思うと、こちらも防御策をキチンとしてご迷惑がかからないようにしようという気持ちになります。
挨拶の握手がないのはお互い手持ち無沙汰で、話し合いの間はマスクを着用して、ソーシャルディスタンシング1mをきちんと取っての面談。全くのニューワールドです。
その後、息子を車でピックアップして、6ヶ月ぶりの再会。
「やっと会えた」と思いました。
いくら成人したとはいえ、こういう特別な時期に6ヶ月も会えないでいると、しかも大変なロックダウン時に息子はフランスに、私は東京にいて、お互いに出国することが出来ず、会えずにいたので、ものすごく心配でした。
今回、世の中何が起きるかわからず、大事な人とはいつも一緒にいるようにしないといけないなとつくづく思いました。
そして、あの厳しいロックアウトを、キチンとやってのけた息子をうれしく、ちょっと誇りに思います。
再会初のランチは、彼の希望で、ファーストフードではないハンバーガーレストラン。
コンフリューエンスというカルチエのショッピングセンターのパーキングに車をいれ、徒歩でショッピンモールの中をレストランまで。
いくつか閉まったままのレストランもありましたが、ほとんどのレストランは時間短縮しながら営業していました。
このカルチエは隈研吾さんが設計したスマートシティ構造の住宅群が立ち並び、建築好きには楽しいカルチエです。
お目当てのレストランは大人気で、注文カウンター前には長蛇の列。
自分でソーシャルディスタンシングを考えないと、密になってしまいそうな感じでしたが、あまり気にしている人はいないようでした。
7月時点では、屋根のついている空間(オープンエアではない施設)にいる時には、マスク着用が義務になっていたので、一応、皆んなマスクはしていました。
2つのテーブルの間にバツ印のついたソーシャルディスタンシング用のテーブルが置かれていていますが、それ以外はごく普通で、ハンバーガーレストランなので、若者と家族連れが多かったのですが、皆普通に食べ、話していました。(日本のような大声で話さないというコードはありません。)
その後、場所をリヨン旧市街に変えて、デザートを食べにアイスクリーム屋さんへ。
こちらもごく普通の対応。安心します。
どこか長いロックアウト後に活動再開ができて、お客さんが来てくれてうれしいという感じがします。
こちらも頑張っている人々を応援したいという気持ちが、自然と湧いてきます。
長くフランスに暮らしたので、フランス人の国民性は良くわかっていますが、彼らは何かあった時に割と強く、反骨精神を出します。なんと言ってもレジスタンスを生きた人々の末裔ですから。
かつて定期的に起こったテロの後の対応もいつも「テロには屈さないで、通常生活を続ける」というもの。
屈すれば、なめられて次がくるので、毅然として通常生活を続けるというのが、基本の考え方で、私もこの考え方に賛成です。屈しない。あきらめない。
あえて、危険に身を晒すことはしませんが、テロ行為があったからと言って、家に閉じこもったりはしません。
出来る限りの防御策をとって、同じ考え方の人と協力して自分の生活を続けます。
この辺りの考え方が今回のフランスの対策の考え方のベースにあるように思います。
とはいえ、「自由」と「自分勝手」を履き違えて、公衆衛生であり、自分と他人を守る簡単な施策であるマスク着用に反対するデモが起こったりもするのが、フランスですが。笑
のんびりとリヨン旧市街を歩きながら、早く普通の日常に戻ると良いなと思ったのでした。
明日は公証人とのRDV。ふーっ。
0コメント